2026-02-01

冬に聴きたいモダン・ジャズ名盤 5選

ミュージックバー 山渡は、繁華街・池袋の大きな通りに面しながら、
地下に降りた途端、外の喧騒がすっと遠のく静かな大人の隠れ家です。
小さな看板の下、アナログレコードを真空管アンプで、
ゆったりと味わっていただく音楽バーとして営業しています。

今回は、ジャズと付き合って四十年になるマスターが、
「これからジャズを聴いてみたい」と思った人のために、
冬に聴きたいモダン・ジャズの名盤を5枚選びました。

① Chet Baker『Chet Baker Sings』(1954)【修正版】

トランペット以上に、淡い儚さを感じさせるチェットの歌声が印象的な一枚。
技巧より感情が先に立つ。上手く歌おうとしないからこそ、孤独や弱さがそのまま伝わってくる。
冷えた夜に似合う、静かな温度のジャズ。

② Bill Evans Trio『Moon Beams』(1962)

『Waltz for Debby』の影に隠れがちだが、こちらはより内省的。
バラード中心で、音数は少なく、沈黙が美しい。ピアノ、ベース、ドラムが会話というより独白のように響く。
冬の夜に、考え事を邪魔しない名盤。

③ Stan Getz & João Gilberto『Getz / Gilberto』(1964)

ボサノヴァ=夏のイメージを裏切る、意外な冬向き作品。
ゲッツのサックスは温度を下げ、空気を澄ませる。「静かで明るい」という稀有な質感が、寒い季節の部屋によく合う。
軽やかだが、軽薄ではない。

④ Kenny Burrell『Midnight Blue』(1963)

タイトル通り、深夜のブルースを中心にした一枚。
ギターの音が柔らかく、影が濃い。派手さはないが、時間が遅くなるほど染みてくる。
寒い夜、灯りを落として聴くと、音楽が少し近づいてくる。

⑤ Wayne Shorter『Speak No Evil』(1966)

硬質で都会的、それでいてどこか翳りを帯びた名盤。
ショーターの書く曲は、感情を直接語らない分、余韻が長く残る。冬の空気のように澄んでいて、簡単には掴めない。
その距離感が心地良い。

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